やきものの名家に生まれた金重陶陽は10代から30代までを「細工師(デコ師)」として、主に細工物の制作に励んだ。30代後半からはロクロによる茶陶(茶器)生産にシフトする。古備前・桃山陶の伝統的な土精製法・窯構造などを研究し伝統技術を探求する一方で、伝統をそのまま作品制作に取り入れることはせず、あくまで自身の基準で取捨選択・改良を行い、陶陽オリジナルの作品を作り上げていった。
『窮すれば通ずる』。明治・大正・昭和初期と備前焼が下火になり、産地が「個人窯(大衆窯)」・工場化と2極化していく衰退期に、「個人窯」として苦悩と挑戦により自身のカタチを作り上げていった陶陽。また陶陽作品は当時陶芸界の第一線で活躍していた荒川豊蔵、川喜多半泥子、10代三輪休雪、北大路魯山人、そして越前にゆかりのあるイサム・ノグチなど数多くの作家と親交を持ち、常に進化していった。
その功績が讃えられ、1956年(昭和31年)備前焼初の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
陶陽の没後50年を迎えて、島根県安来市加納美術館コレクション72点より、改めて金重陶陽の偉業を回顧する。
会場
福井県陶芸館 資料館 企画展示室
開館
午前9時~午後5時(最終入館:午後4時30分まで)
入館料
一般300円、高校生以下無料(団体30名以上で2割引)
※常設展も併せてご覧いただけます。
※障害者手帳をお持ちの方は付添者1名のみ無料。
関連企画
■担当学芸員によるギャラリートーク
日時:10月15日(日) 11:00~
■記念講演会
日時:11月5日(日) 14:00~
会場:福井県陶芸館 茶苑 大広間
講師:外舘 和子氏(工芸評論家・工芸史家)
テーマ:「金重陶陽の近代性」
定員:30名(電話にて要予約【10月7日より予約受付開始】)
※定員に満たない場合は当日参加可能
料金:無料(特別展を観覧される場合は別途入館券が必要)
主催
福井県陶芸館
後援
越前町、福井新聞社、FBC福井放送、福井テレビ、FM福井、月刊ウララ、丹南ケーブルテレビ、たんなんFM79.1Mhz
お問い合わせ先
福井県陶芸館
TEL:0778-32-2174 FAX:0778-32-2279
〒916-0273 福井県丹生郡越前町小曽原120-61
URL:https://www.tougeikan.jp/