大谷寺万灯会と越知山泰澄ウォーク
抜けるような青空の秋晴れの中、「第13回越知山泰澄ウォーク」に参加してきました。
こちらは、越知山泰澄塾が主催されています。
越知山泰澄塾(旧あさひ泰澄塾)は、平成元年にまちづくりの自主懇話会として結成されました。自然公園の保護、美化運動をするとともに、「泰澄大師その足跡」編集や越知山登山、泰澄ウォークなども開催されています。
泰澄大師は、奈良時代の修験道の僧で、修行の聖地、山岳信仰の礎となる白山を開山されたと言われています。
682年福井市麻生津の泰澄寺に生まれ、11歳の時に夢のお告げに導かれ、越前町の越知山に毎日往復30キロの道のりを夜通し走り、明け方に家に戻るという修行をされていたそうです。
越知山泰澄ウォークは、泰澄大師が修行された道をたどる往復15キロのコースです。
実は、当初私は、ハイキングのような軽い気持ちで参加しました。
一応、トレッキングシューズを履いていきましたが、完全に甘く見ていました。
このコースは、平坦な道ばかりではなく、泰澄大師が1300年前に歩いていたであろう、同じ山道を辿るのです。
スタートは、天王の八坂神社でした。
しばらく山道を歩くとお堂の中に大きな岩が祀られています。
かやり地蔵と言って、よく見るとお地蔵様が逆さに6体描かれています。
福井の方言でひっくり返ることを「かやる」と言います。
このお地蔵さんたちは、崖の上からかやってきたので、かやり地蔵と呼ぶそうです。
天王坂と牛越坂
天王坂は、越前市や鯖江方面から越知山詣や日本海に通じる大切な街道でした。
山道をどんどん歩いていきます。
時にはぬかるみ、丸太を通しただけの橋を渡ったり、急な坂や階段を登ったり、降りたり・・・。
なかなかのアップダウンが続きます。
この山道を昔の子供たちは、学校に通うために毎日歩いていたそうです。
泰澄の道として、越知山泰澄トレイルコースの案内が町のあちこちに設置されています。
この案内通りに歩けば、泰澄大師が歩いた道を辿っていけます。
牛越区の尾之上神社。
こちらで、泰澄大師作と伝えられている不動明王立像を特別に見せていただきました。
越前町指定有形文化財であり、牛越区の皆様が大切にお祀りされています。
お堂の中の絵馬も素晴らしく、これからも大切にして頂きたいです。
その後は、しばらく平地を歩きました。
坂道は辛いですが、アスファルトより土の上の方が足が楽なことが分かります。
仏性寺
小倉にある法華宗のお寺。数少ない石造多宝塔があります。
笏谷石で作られ、ほぼ完全で美しい形で残っています。
不動水
大谷寺に続く古道の途中にあり、「不老長命水」「泰澄大師末期の水」と言われています。
晩年、死期を悟った泰澄大師が77歳の時に大谷寺に戻られ、この水を飲まれたところ、86歳まで生き永らえたと言われています。
参加者の皆さんは、コップに汲んで長生きできるように飲んでいました。
越知山大谷寺(おちさんおおたんじ)
とうとう到着しました。こちらが泰澄大師が北陸最初の霊場として作られ、最後の時を過ごされたお寺です。
万灯会の時には、特別に県の指定文化財である十一面観音菩薩坐像や阿弥陀如来坐像、聖観音菩薩坐像などが御開帳されます。
泰澄大師堂
本地堂
奥の院
ノ
大谷寺の奥を更に登って、本地堂と奥の院まで行ってきました。
とても一人では行けなかったです。
越知神社
大谷寺の敷地内にあります。
丸山宝塔
南北朝時代に作られた越前町指定有形文化財
「円山」と呼ばれる円形塚上に存在することから呼ばれています。
笏谷石製。納骨を目的に作られたものと思われます。
経塚
泰澄大師が修行されていた頃、白い蛇に道を塞がれ困っていました。この蛇は自分を試されている神仏の化身であろうとお考えになり、この地に経文を埋めるとともに川から拾った小石に経文を書いて白蛇に投げつけたところ姿を消したと言われています。
毎夜続いたので、小石が山になったそうです。
朝通った牛越坂→天王坂を再び通り、八坂神社に午後3時半ころに到着しました。
実に15キロ以上の道のり。
最後は、足取りも重く、前に進むことがやっとでしたが、歩き切りました。
この倍以上を毎日走られていたという泰澄大師は、大変な方だということが分かりました。
下見から、当日のサポートまで、たくさんのお気遣いを下さった越知山泰澄塾の皆さんには、本当に感謝します。
越知山泰澄塾では、塾生を募集されているそうです。
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さて、一度自宅に戻った後、万灯会(まんとうえ)が行われる大谷寺に再び向かいました。
少し薄暗くなってきた境内には、たくさんのろうそくが立てられています。
お寺の中では、秘密護摩供祈祷法要が営まれていました。
16時半、法要で焚かれた火をろうそくに灯していきます。
ろうそくには、人々の願いと名前が書かれています。
大谷寺(おおたんじ)は、泰澄大師がご開創1325年の歴史を誇る古刹です。
越の大徳泰澄大師が本拠地として修行され、北陸佛法最初の霊場と称されています。
毎年、11月3日、4日には、万灯会が行われます。
泰澄大師御廟
泰澄大師は、ここ大谷寺で86歳の時に亡くなられました。
日が落ち、暗くなってくると幻想的な雰囲気になります。
護摩祈祷法要を終えられたご住職が山伏の装束で境内をお祈りして歩かれます。
たくさんのろうそくに灯される灯りは、境内を照らし尊く有難いものと感じます。
自分の命へと脈々と続くご先祖様への祈りと、幸せに感謝します。
この万灯会をされるために、近隣の方たちが大変ご支援されて、ご準備や運営をされているそうです。
私も毎年お参りさせて頂いている万灯会、とても幻想的で、厳かで、気持ちが落ち着きます
今回、越知山泰澄ウォークと大谷寺万灯会に行かせて頂いて、越前町に大変縁のある泰澄大師に益々興味を持ちました。
ほんの少ししか紹介出来ませんでしたが、別の機会に泰澄大師のことをもっと勉強して、ご紹介していきたいです。
丹生郡越前町大谷寺42-4-1
電話・FAX: 0778-34-5045
\泰澄の名のついた温泉施設も/
自然豊かな里山で、森林浴も楽しみながら温泉に浸かれる天然温泉施設。
日帰り温泉や宿泊、食事もできます。
丹生郡越前町小倉88-55-1
電話:0778-34-2322