越前町をオリーブの産地に!!~みんなの夢を乗せて~
日本海を望む丘の上にTeam越前夢おこしと越前町の地域おこし協力隊、吉田文武さんが植えた約600本のオリーブの苗木が風に揺れています。
【Team越前夢おこし】
2019年、高校の同級生でもあるTeam越前夢おこし代表の南和孝さんと副代表の奥田さんのお二人が、越前町を盛り上げるために、オリーブ栽培をしようと話し合ったのが、このチーム発足の始まりでした。
十割蕎麦だいこん舎の店主で、Team越前夢おこしの代表 南和孝さん。
最初は、お二人の住む宮崎、織田地区で少しずつオリーブの木を植えていったそうです。
その後、様々なご縁が繋がり、協力してくれる仲間を集め、越前町の協力も得て、町民農園のオーナーを募ったのが、昨年7月でした。
【町民農園スタートアップ講座】
2022年7月18日 静岡県やイタリアでオリーブ農園を経営し、日本各地でオリーブ栽培の指導をされている一般社団法人静岡県オリーブ普及協会代表理事の近藤佳裕さんを講師に招き、城崎小学校でスタートアップ講座と町民農園予定地の視察をしました。
私の中では、オリーブは地中海のような温暖な土地で育つ植物というイメージで、冬が厳しい越前町で本当に育つのかと半信半疑でした。
長年オリーブ栽培に携わって、ノウハウも実績も持っている近藤先生の話に引き込まれました。
浜風の吹く越前町でオリーブの木が生い茂り、オリーブの実を収穫する。
ゆくゆくは越前町産のオリーブオイルを作り、特産品となっていくことも夢ではないと思えるようになりました。
【オリーブの植樹】
2022年10月15日 町民オリーブ農園に50名近いオーナー希望者が集まり、近藤先生のご指導の下、一人一人が自分のオリーブの木を植樹しました。
このオリーブの木は、イタリアから輸入した苗です。オリーブは品種の違う木をいくつか植えないと受粉しにくいので、4種類の苗木が揃えられました。
この日までにスタッフの皆さんが草を刈り、オリーブを育てるために、農地整備をして迎えてくださいました。
1メートルくらいある立派なオリーブの木です。
スタッフさん手作りのマップで自分のオリーブを植える位置を確認します。
私のオリーブの種類は「レッチーノ」完熟すると黒く光沢のある実になり、病害虫にも強く、育てやすい品種とのことです。植樹した後は、自分のネームプレートを取り付けました。
オリーブは、樹齢300年くらいまで育つとのこと。
今植えたオリーブが私の子や孫、ずっと先の代までこの地で育つと思うと、私が居なくなった後も、越前町の未来を見守ってくれるようで、頼もしく壮大な気持ちになりました。
杉本福井県知事がオリーブの木を植樹 (写真提供 Team越前夢おこし)
この日以外にも、地元城崎小学校の生徒さんたちや、杉本福井県知事、青柳越前町長もオリーブの木を植樹し、2023年4月末までに74本のオリーブの木が植えられました(この他にも宮崎地区、織田地区などでも植樹されています)
【Team越前夢おこしの活動】
TEAM越前夢おこしでは、オリーブ栽培以外にも様々な活動をしています。
ココクルーマルシェのオリーブの剪定枝を使ったリース作りワークショップの様子 (写真提供 Team越前夢おこし)
2月23日 街づくり団体交流フェス
2月26日 オリーブオイルで、肌に優しい石鹸とバームを作ろう
3月21日 オリーブの剪定枝を使ったフラワーアレンジメントワークショップ
3月25日 越前町ココクルーマルシェ オリーブの剪定枝を使ったリースワークショップ
4月 9日 オリーブの剪定枝を使ったリースのワークショップ
今年に入ってから、オリーブ栽培だけではなく、越前町内の空き家を活用し、剪定した枝を活用してリースを作ったり、越前町内の他の街づくり団体とマルシェやフェスをしたりと活発に活動しています。
オリーブ栽培を始めたのは、越前町を元気にして盛り上げたいという気持ちからとのこと。Team越前夢おこしさんの活動に今後もわくわくさせてもらい、出来るだけ私も友達を誘って参加していきたいです。
【草刈り】
4月28日には、オーナーさんたちが集まり、草刈りをしました。
久しぶりに見る私のオリーブの木の周りには、元気すぎる草がいっぱい!!
小一時間かかって、丁寧に草を取り、ネームプレートが消えた人は名前を書き直していました。
鷹巣から来られた親子さん。二人で一生懸命草刈りしていました。
その後は、オリーブオーナーで石材業の宝木幹夫さんが、石臼挽きのコーヒーを参加者に振る舞ってくださいました。
石臼で挽くことで、コーヒー豆に熱が加わりにくく、美味しいコーヒーが淹れれるそうです。
スタッフの皆さんが用意してくださったベンチや机、ハンモックに思い思いに座って、美味しいコーヒーを楽しみました。
今後もオーナーさんたちと、いろんな作業やイベントを企画される予定です。
Team越前夢おこしの活動は、こちらのInstagramで見られます。
さて、もう一人、越前町地域おこし協力隊として町民農園の少し先に行ったところで、オリーブ栽培に取り組んでいる吉田文武さんにお話をお聞きしました。
吉田さんは、越前市出身、県外の大学在学中に青年海外協力隊でチュニジアに派遣されました。
しかし、コロナ禍のため半年余りで帰国、大学卒業後は企業に就職していました。
何かやってみたいと探しているうちに、越前町がオリーブ栽培をしてくれる協力隊員を募集していることを知り、昨年11月に就任されました。
チュニジアは、オリーブ栽培が盛んで、どこに行ってもオリーブの木が生えていて、食卓には必ずオリーブオイルが出てきたそうです。
あの美味しいオリーブオイルを自分でも作れたらと夢が広がります。
吉田さんは、学生時代は水泳一筋で、農業とは全く無縁でした。
オリーブ栽培のために貸してもらった畑は、元々田んぼなどで、長く耕作放棄地になっていた土地もあります。
水はけの良い土での栽培が向いているオリーブにとっては、粘土質の田んぼの土は厳しい環境。
吉田さんは、就任直後から、土地改良に取り組まれました。
業者に土地を掘り起こして、天地返ししてもらったり、出てくる大きな石を取り除いたり、様々な難題にぶつかりながら、オリーブの植樹の準備をされたそうです。
そして、2月頃からは、1日40本くらいをペースにオリーブの木を植え続け、現在500本をほぼ一人で植え終えたそうです。あと残り100本は土地の整備が済んだら植えられるそうです。
農業初心者の吉田さんがここまで来れたのは、オリーブ栽培の指導をしてくださる近藤先生が月に一度のペースで見に来てくださり、疑問があると電話で相談に乗ってくださったお陰だと言います。
これから夏に向けて、広大な畑の草刈りや枝の剪定など多くの作業があります。
将来的には、オリーブを越前町の特産品になるように加工し、地域の活性化のためにいろんなことに挑戦していきたいそうです。
私が話をお聞きした日には、同じく越前町地域おこし協力隊で空き家対策に取り組む多胡洋平さんが草刈りの手伝いに来られていました。
基本は一人での作業がほとんど。
いずれは、一緒にオリーブ栽培に取り組んでくれる仲間が欲しいと言われてました。
吉田さんには、スポーツで頑張って来られたガッツとチャレンジ精神があります。
越前町のために頑張りたいというその言葉になんだか嬉しくなりました。
吉田文武さんの活動は、こちらの越前町地域おこし協力隊のInstagramとFacebookでチェックしてください。
越前地区というと、海のすぐ近く狭い土地に家が立ち並び、あまり土地がないというのが、今までの私の印象でした。
少し山の方に入っていくと、広大な段々畑が広がり、山と緑と眼下に広がる日本海があります。こんな場所にオリーブが実って、皆が集える場所が出来たら、とても素敵です。
ゆくゆくは、2000本のオリーブを植えていくことを目指すそうです。Team越前夢おこしと地域おこし協力隊の吉田さんたちの活動に今後も注目すると共に、ぜひ皆さんも応援してあげてください。
オリーブ園のある城崎小学校から少し降りたところから、こんな素敵な景色が観られます。
近くには、道の駅越前や越前温泉漁火があります。
オリーブ畑を訪れた後は、夕日を眺めながら温泉に浸かるのはいかがですか。
【道の駅越前】
住所:福井県丹生郡越前町厨71-335-1
電話:0778-37-2360
定休日:火曜
詳しくはこちら➡ https://www.echizenkk.jp/michinoeki
【越前温泉 露天風呂漁火】
住所:福井県丹生郡越前町厨71-335-1
電話:0778-37-2360
定休日:火曜
詳しくはこちら➡ https://www.echizenkk.jp/isaribi